“自己責任”を叫ぶ他責性

2月6日の視聴

・『100分deパンデミック論』
→1月3日本放送。この冒頭の伊集院さんの語るひと言、感覚が鋭いのはもちろんながら、よく言語化できるな、という印象。
→4人が持ち寄る書、は自著なのか?いや、違うか。
→【第1章 グローバル資本主義の限界】斎藤幸平(大阪市立大学准教授)が勧めるのは、哲学者、スラヴォイ・ジジェクパンデミック』。

→エッセイなんだ。映画とか例に出して面白いな。キル・ビルの五点掌爆心拳、てほぼ北斗神拳やんけ。
→『マトリックス』(1999)面白そう。地上波で全然やらないな。何か問題でも?
→資本主義を「現実を見ろ=金を稼げ」だと斜に見るのはまあ良しとしよう。でも、ジジェクの語るあれこれこそ“理想”で、まさに夢の中にいるのでは?と思ってしまう。私は資本主義バンザイでもないけれど、経済の成長なくして障害や貧困で苦しんでる人間の身体の拡張機能である“技術”は出てこないし、使えない(電力などのエネルギー必要!)でしょ?
→【第2章 パンデミックとケア】小川公代(上智大学教授)のオススメは、ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』。へ?“たった1日”を書いた物語なの?

→「意識の流れ」という表現手法。色んな人の脳内を行き来する?えーと、憑依的な?

→イギリスの、時間を表すだけではない、鐘の音。そう言われると、鐘の音が死を連想させるようなアニメもあるよね。

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→クラリッサ(ダロウェイ夫人)が怯える死が“スペインかぜ”だとするとハマるピースの数々。ラジオ中継に天気が出てこないエピソード(伊集院光が聴いた)が、戦争の存在を垣間見せる。
→ウルフ自身が様々な病にかかる上で、横臥者(直立人、と比較)としての自分のイメージの拡大を自覚するの、物書きの発想だなあ、と。正岡子規『仰臥漫録』とのつながり。

→【第3章 奴隷根性を打ち砕け!】栗原康(やすし)、アナーキズム研究者のオススメは『大杉栄評論集』(飛鳥井雅道・編)。大正時代の方ですか。同棲愛?語学の天才?関東大震災の頃に、妻子もろとも虐殺された?!
※正確には妻子でなく「パートナーの伊藤野枝、大杉の幼い甥」と共に、憲兵隊に連行され虐殺

→38歳没、の大杉栄大杉栄を殺した甘粕正彦高橋源一郎の“おばあちゃんのいとこ”。遠いんだか近いんだか。
→その組織の歯車に、一時的になってやってるつもりが、“歯車を演じていた自分”から逃れられなくなっていく。

→今回紹介されてる、大杉栄の愛人の“伊藤野枝”のWikipediaすげーな⇩…。

【『伊藤野枝』→https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E9%87%8E%E6%9E%9D

→【第4章 露わになる社会の本質】最後は高橋源一郎ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』。2010年に亡くなってんねや。

→すげーなこのストーリー。どんどん謎の感染症で失明していく。そして精神病院に隔離していく。やべえ、序盤の話で面白え。どうなんの?これ。
→途中で、3グループで維持していた秩序が崩壊し、支配したグループが他グループに「女性を差し出せ」と要求したくだり。スタジオの面々は「弱者である女性が虐げられている」ことに着目してるけど。私は「え?じゃあ女性(や子ども)は最悪、身体を差し出せば生き残れる、てことだよね?弱い男性は、真っ先に(銃で)撃たれるか餓死させられるじゃない?」と、別のことを考えた。
→斎藤幸平さんも、女性のエッセンシャルワーカーが多いことを嘆いて(?)いるけど。男性を排除することに同意してるのは女性も同じでは?「看護師の男性」「保育士の男性」「介護士の男性」を良く思わない女性、いっぱいいるでしょ?
→「見えてる」と思うことによって「見えなくなる」、というジジェクの話に戻っていく、スタジオの面々。それ、エコーチェンバーによる「壮大なドッキリ」じゃない?

【白饅頭日誌『壮大なドッキリ』→https://note.com/terrakei07/n/nfc3ee2c79a56

カミュの『ペスト』⇩でも描かれて無かった、感染症に“かかった側”の物語。朗読の二人が、最後に交互にやりとりするの、いい演出だなあ。

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・『ETV特集「若者たちの“貧困パンデミック”」』
→わかるよ?わかるんだけど、「若いんだからもったいないよ」っていう支援者、あんま好きじゃないんだよなー。
→塾講師バイトで休業補償が出なかった(最終的には国のプッシュも効いたのか出た)学生さん、まあ頑張ったと思う。大学院まで行く必要があるかは分からんけど。
→ネットカフェなどで寝泊まりしてたが、3ヶ月前から路上に、の女性(井上さん(仮名))。「自殺を2回くらいしようと思った」「自殺する条件(=支援者にも断られれば踏ん切りが付く)を整えるために支援団体に電話した」とか言ってるけど、それは“死にたい”に見せかけた“生きたい”だろ。そこまでに至る過程の発言が共感出来ないし、基本的に他責性の高い言い方してるので、そもそも“嫌われる”タイプの人だと思う。だいたい「いい歳してひとりで生活もままならないなんて恥」という思想は、自分が問題なく社会生活を営めていたら、苦しんでる他人にそういう感情を抱いていることの裏返しよ?そんなに言うなら、さっさと生活保護申請して、とにかく生き延びろ!
→お。雨宮処凛さんや。
→あれ、井上さん(仮名)、生活保護受けられたんや。良かったやん。でも独りで部屋にこもるのに耐えられなくなってきたか…。夜起きてることを「悪いこと」だと思いこんでたりとか、“脳にこびりついてる固定観念”みたいのがとにかく彼女を苦しめてるな。まあ、これからっすよ?
→井上さん(仮名)も、吉田さん(仮名、男性)も、下をみて(ホームレス高齢者とか)んだよな…。それで出す元気、は全く健康ではないよ。
→吉田さんも1回生活保護“親切”断られてんのか。まだ、そーいう嘘言う職員おんのな。“申請”はどんな金持ちでも出来るっちゅうに。(後に支援者が同行し無事申請、受給)
→千葉県市川市の道の駅でSOSを出してた、岡田さん(仮名、福島出身)も、生活保護受給できてる。ホッ。ナレーションの「定職につけずにいた」は、正直、一度諦めないと、考える時間と、思考する余裕が生まれないので、好転しないぜ?
→マーケット感覚から遠ざかると、日雇い派遣などの定型仕事しか思いつかんのよ。全員、一度図書館に通うの推奨しない?
→若者がデモすること自体は、動いているという実感が得られるから、やればいいと思う。ただ、本気で経済を回したければ自分たちが“仕事を作り出す”ところに行き着くわけで。ボトムアップで「下から声をあげて社会を変える」ことは素晴らしいけれど、Twitterフェミニストや人文系学者みたいに、いつまでも被害者ポジション取りながら他者を攻撃するような大人とは、線を引いて欲しいな。

・『FACES いじめをこえて 30min.「定時制高校3年 伊勢本旺亮(おうすけ)」』
→以前観た「ジャングルポケット 斉藤慎二」さんの回はこちら⇩。

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→今どき原稿用紙に手書き!本人の裁量なのか、コンクール側の指示なのか…。にしても字が上手いな!
→階段から突き落とされる?!石や砂を投げられる?!「貧乏人」と呼ぶ?!なんなんそいつら。
→旺亮さんが、「より貧乏な地域に産まれたかった」というの、斬新だな。ポケモンカード遊戯王カードのない世界。
→高学年になって始めた告げ口が、彼の少ない友人関係すら壊してしまう。続くイジメ。得意だった勉強も下火に。そして、中2から不登校に。
→つばさ学園で、他人を責めてしまう旺亮さん。大人から「来たくないなら 来なくていい」と言われたことは、突き放しなのか、優しい愉しなのか。
→彼が動き出すキッカケは自分からNPOへのメール。彼が扉を開くキッカケは、同級生(女子)からのちょっとした質問。それが“運”。そして、“縁”。

・『20分で「鎌倉殿の13人」 1月ダイジェスト』
→なんか面白そうだな。タイトルが「THE 13 LORDS OF THE SHOGUN」ってのも、主役は“将軍”の周りの人間、て感じて良き。
→矢文、あの距離飛ばせる女性なんかいるか???

・『目撃!にっぽん「小さな変化を見逃さない〜被災地の信用金庫 100日の記録〜」』
九州ひぜん信用金庫の北方支店に注目。
佐賀県武雄市にある、70年続くちゃんぽん店(名代 井手ちゃんぽん)。昨年8月の大雨で浸水被害。結構水害多いねんな。
→それにしても、老舗なら『ゾンビランドサガ』に出てきてそうじゃない?
※第2期『ゾンビランドサガ リベンジ』の第3話、Aパートのアイキャッチ⇩で出たらしい!

https://anime-zls.hamutane.com/stories-zlsr/zlsr-3/#toc13

→経営会議、じいちゃんばっかだな。
→信用金庫、地元でしかも販路とか限られてるのか。法律で決まってるとか初めて知ったわ。あと、たまたまなのかもしれんけど、取材対象の行員、「元野球部」多くね?
→工場への融資下りた!大森さん、ナイス!!




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