叩き落とす

5月7日の視聴

・『ETV特集ウクライナ侵攻が変える世界〜私たちは何を目撃しているのか 海外の知性に聞く」』
→進行役は道傳愛子さん。
→スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、イアン・ブレマー、ジャック・アタリ。3人の知性。しかし…アレクシエーヴィチさん⇩は、何かにつけピンとこないんだよなー…。

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→アレクシエーヴィチさん、現在はドイツ在住。3歳までウクライナ、その後父上の故郷ベラルーシへ、んでウクライナには祖母がいる(いた?)、と。まあ彼女の著作の方向性として当然なんだけど、戦争に駆り出されてる男性たちにあまり目を向けるタイプの書き手ではないので、「戦争は政治家がやり始める」とかの、誰もが頷くことを言われても『いや?女性が昔ほど蚊帳の外ではないし、あなたの著書「戦争は女の顔をしていない」で、女性兵士が大量発生したのは、女性たちが望んでいた“男女平等”ではないのか?』と反論したくなる。
→大ロシア主義か…。
→アレクシエーヴィチさんも、自分たちが民衆と対話してこなかったことは後悔してんのね…。
ベラルーシ、30年近くもルカシェンコ政権なの?!こらアカンわ。
→アレクシエーヴィチさんがどんなに嘆いて「生き抜く」と述べたところで、女性であるというだけで生き延びられる確率は断然高いのよ。そりゃロシアやベラルーシで暮らしてると狙われるけど、その“ロシアやベラルーシから逃れることすらかなわない”男性や貧困女性からしたら、「生き抜く」を軽々しく使われると腹立たしいだろーよ。
→フランスの政策顧問でもあった、ジャック・アタリ。彼がコロナ禍のパンデミック(こちらもETV特集)⇩で語っていた独裁への危惧、まさかロシアの方が先鋭化するとはね。

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→アタリ氏、6年前に既に今回の件を危惧してた。さらに、今後のバルト三国がロシアから攻撃される懸念や、中国が台湾を統合しようとする危惧。そして、それに対するアメリカの核兵器の使用可能性まで言及。もちろん日本も巻き込まれる。そうだよな…“剣はペンより強い”ことをプーチン氏が証明してしまった以上、キレイゴトは意味がない。最悪の場合まで、想定しなければ。

→え。アタリ氏、欧州復興開発銀行の“初代総裁”だったの?すげー人じゃん。
クレムリンの素行の悪い官僚のせいで、ロシアはEUに入りそこねたのだな。
→確かに。これだけ何国もが核保有国してるのに、「冷戦が終わった」というのがそもそも欺瞞。
→なるほど!パンデミックの回でもアタリ氏が語っていた、“利己的な利他主義”とはそういうものなのだな!!!すげーな。いちいち納得できるな、この人…。世界全体のマネージメントをこんなハッキリと示せる経済学者(しかも実務もできる)、おらんぞ?
→3人目はアメリカの国際政治学者、イアン・ブレマー。ロシアは「侮辱されたと思っている」。そんなこと言っちゃって大丈夫?
→「敵を侮辱しない」という1点において、ジャック・アタリもイアン・ブレマーも共通している。
→東側が一斉に崩壊したとき、東欧は支援されたのに、ロシアはされなかったのか。
→あ、私と同じ考えが。「普通の市民にも責任がある」と。

・『ETV特集ウクライナ侵攻が変える世界2014 対立の原点」』
→この手のキャスターは道傳(どうでん)愛子さんなのよね。
→今回の戦争を読み解くため、2014年5月のETV特集(『歴史と民族から考えるウクライナ』)を再構成。それを道傳さんと石川一洋解説員が語る。これは見応えありそう。
→2014年2月:暫定政権成立(マイダン革命)
→同3月:ロシア、クリミア半島併合
→同5月:大統領選挙
⇒2014年版放送スタート。
→(2013年)11月に、当時のヤヌコービッチ大統領がEU加盟を反故にし、キエフでは西部ウクライナの人が対立。ヤヌコービッチが退陣拒否して激化。東部のドネツクではヤヌコービッチを支持。
→2014年2月に暫定政権(EU加盟主張)。
→は?ドネツク、親ロシア派が「ドネツク民共和国」とか言い出したぞ。
→東部3州(ドンバス)に残る“ソビエト意識”。
→へー!カナダへのウクライナ移民、140万人もいるんだ。主に西部ウクライナの民。カナダのハーパー首相もキエフ訪問。めっちゃ応援してるやん。
→17世紀半ばは、ロシア帝国ポーランドでちょうど二分されてた現在のウクライナの土地が、第一次大戦で領土がズレて「(以前はポーランドでもあった)西部ウクライナ地域」がソビエト領に。キエフはその組み入れられた地域の東端。
第二次世界大戦で“ガリツィア”地域もソ連が占領。組み込むたびに、その地域を迫害してきた罪が、ロシアへの疑いとして常にあるのだろうな。
→カナダのエドモントン。セント・ジョージ教会にて、ガリツィアの心の絆、ギリシャカトリック
第二次世界大戦当時のガリツィア蜂起軍、女性もいるな。ソ連軍との対立の中、カナダへ移住したのがこのカナダのコミュニティなのか。
→クリミアの住民投票の前に、(正体を隠した)ロシア軍がウクライナ軍人を追い出していたのか…。NHK高校講座の「ロシア帝国」⇩で、クリミア戦争やってたの思い出すな…。

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→マイダン革命後のクリミア編入の時点で、各国がロシアに制裁課してるのか。G8締め出しも。「その後ウクライナでは、EUNATO加盟への道を明記する憲法改正を実施 2019年に就任したゼレンスキー大統領も、その路線を継承した」と…。これは追記したヤツだな。

・『ETV特集ウクライナ危機 市民たちの30年」』
→ううむ。「オレンジ革命」って、この民衆の後押しで選挙をやり直したこと、なのかな?ヤヌコービッチは最終的に負けたわけだけど、のちに選出されたからこそ「マイダン革命」が起きてしまったわけよね?複雑。
→そうか…ロシアの、2008年8月のグルジアジョージア)への侵攻は、NATO加盟を阻止するためのものか。それならウクライナも同様の扱いになるのも納得できる(侵攻は支持しないけど)。で、腐敗政治で支持を失ったユーシェンコ大統領(親ヨーロッパ)が退陣、ヤヌコービッチ大統領に(親ロシア、2010年〜)。
→マイダン革命からのミンスク合意、履行出来なかったのか。
プーチン大統領の論文からも、「汎ロシア主義」が見える。
オレンジ革命あたりでロシアに移住した(元ウクライナ東部在住だった)オバハンが、「ミンスク合意をウクライナが履行出来なかったのが悪い」みたいなこと言ってて、情報統制とプロパガンダの恐ろしさを感じた。
フィンランドで起こる異変…どんどんロシアから人が流れてくる。経済的自由が失われることを恐れて出国してきた者、学者としてロシアでキャリアを積んだが狙われる危険を感じて家族で逃げてきた研究者(もちろんモザイク)…。
→その研究者の方が、力不足をカメラの前で謝罪していたのが印象深い。後悔の大きさが伝わってくる。
ヘルシンキの学生さんのコトバが、重いな。これが市民感覚よ。日本の人文学者の皆さん、わかります?自分たちが既にエリートの位置にいることくらい、知ってほしいわ。



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