かつて、某大手進学塾で講師をしていた頃。
配属先の教室長(Kさん)が、突如いなくなった。
体調不良で異動とか、明確な説明もなく、本当に突然だった。風のウワサで他教室で講師からやり直している、ということを聞いた。
…
二年くらいした頃。
全講師参加の集まりで、たまたまKさんと食事の席が近くなり、久しぶりに話す機会が出来た。
Kさんが、まだこの会社に所属していたことに驚きつつも(前年の同じ集まりでは見かけなかったこともあり、お辞めになったと思っていた)、
何気ない会話の流れで、当時の突然の異動の話になった。ご本人から聞けるとは思ってなかったので、逆に覚えている。
…
突然の配置転換は、
ノルマである入会生徒数を稼ぐ目的で「体験生徒の名前を無断で」借り、Kさん自身が支払いをした
件を咎められたこと。「クビになってもおかしくなかった」らしい。同じ教室にいた私だからか、思いの外すんなり教えてくれた。
Kさんは、人望も意欲も、保護者からの信頼も厚い室長先生だったので、
会社のノルマがヒトを壊す現実に、恐ろしくなってしまった。
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- 作者: 岡崎昂裕
- 出版社/メーカー: 角川書店
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の『第一章・現実編』で出てくる、
名義貸し─営業成績の欲しい担当者が、顧客に名前だけ借りて、支払いは自分自身が行う─の例を見て、
当時のことを思い出し、ブルブルした、という話。
つながりつながり。