ある生活保護受給者の手記(「飛火」)

(続き。この物語はフィクションです。)
私「えーと、つまり今日10000円払えないなら診察を拒否、ということですよね?」
受付「…診察拒否ではなく、福祉事務所に“そうしろ”と言われているだけです」
私「決定通知書には“休日、土曜日または夜間などに急病になった時は、この通知書を病院や医院の窓口に提出して受診してください”とありますけど。」
受付「月曜日に、役所(福祉事務所)へ行って、医療券もらってから来ればよいのでは?」
私「家族の事情もあって、自由にうごけません。そもそも、役所への交通の便も悪いので、郵送で対応してもらっています。この通知書で、身分は証明出来てますし、医療費をとりはぐれることはありません」
受付「他の医療機関をあたってはどうですか。」
私「……はぁ。もう結構です。」


私は諦めた。受付でもめた(?)ことで、モンスター患者扱いされ、冷静な診察をしてもらえないだろうと予想できたからだ。

◆◆◆◆◆◆

そして翌日。
日曜日なので休日救急の診療所しか開いてない。

また、実費が必要だと言われたら…。

そんな恐怖と格闘しながら、診療所に電話をかけた。
(続く)